理想的な消毒空間と開放的な診療室患者さんの利便性を実現した白いクリニック
日本一の穀倉地帯を控えた新潟市南区。
10年間、眼科医院の中で開業していた歯科医院が、より地域の患者さんの利便性を考えて新たに移転開業した。
10年間支えてくれた患者さんへの感謝を込めて拡大移転
平成17年11月「すわのき歯科クリニック」は開業した。院長の田中博子先生のお父様は眼科医で、眼科医院の一角を増改築してのスタートであった。
「眼科医院の手術室などを改装した診療所でしたが、多くの患者さんに通っていただきました。ただ、待合室や診療空間も手狭で、患者さんにも窮屈な思いをさせて申し訳ない気持ちがあったので、開業10周年を機に思い切って移転開業しました」
新しい歯科医院は前診療所から1キロ弱離れた田園の広がる開発区域で、かつて米蔵があった土地を借りて新たな歯科医院を建築した。広大な敷地に建つのは真白なクリニック。一目で「歯まで白くなる」と思ってもらえるように建築デザイナーがこだわったという。そのモダンで斬新なデザインは平成28年8月の移転開業以来、地域のランドマークにもなっている。
消毒・滅菌室を中心に設計された開放的な診療室
外観で眼をひくのが入口脇のオリーブのシンボルツリー。平和を表わすオリーブの木は、来院患者さんの日々の平穏の象徴でもある。入口は明るい光が差し込む吹き抜けで、正面の壁には来院患者さんを優しく迎える高さ7mのグリーンウォールがある。「来院される患者さんの緊張感を和らげるように考えていただいた設計だったのです。私も最初はびっくりしたのですが、開放的なその空間は今では入口脇のオリーブの木とともに、医院のシンボルになっています」と田中先生。
院内は消毒・滅菌室を中心に北側に3ブースの治療エリア、南側に3ブースの予防エリア、治療エリアの奥にはオペ室にもなる個室空間が設けられている。
「移転にあたり消毒室を中心に、衛生面では万全の診療所にしたかったので、消毒・滅菌室を中央に配置して、汚染器材の動線が極力短くなる設計としました。消毒・滅菌室はコの字型空間で入口の左から汚染物、洗浄、消毒、滅菌エリアと作業が順を追って流れるようにして、滅菌された器具は通路側からも取り出せる両扉棚に保管することで消毒・滅菌室の中に入らなくても準備が出来るようにして、交差感染が起きないように心掛けています」
消毒・滅菌室には超音波洗浄機「ハイパワーソニックHS-Ⅰ」、ウォッシャーディスインフェクター「メラサーム10」、Bクラス滅菌器の「バキュクレーブ31B+」を導入。汚染区域から既滅菌区域までの動線を明確にした理想的な消毒・滅菌室となっている。
患者さんのためにここで行いたい
治療エリアにはマイクロスコープが装備されたレフィーノと3台のイオムレガロ、X線室のCTにはプランメカ社のプロマックス3Dが設置されている。
「機器の多くは移転に合わせて導入したのではなく、近い将来には必ず必要になるだろうと少しずつストックしていたものです。実は、田中家は西暦1600年の関ヶ原の戦いの時代からこの地に住み、地域の皆様との絆の中で今日まで来たので、できる限り地域に密着した医療を提供したいのです。難症例や障害があっても、ここで充分な医療を患者さんに提供したいという想いが強くありました。ですから、治療の幅を広げるために大学病院の各専門医から協力をいただき、少しずつ医療環境を整えたのです」
田中先生は大学卒業後、新潟大学歯学部で口腔外科診療を研鑽し、障害者施設の担当医も務められている。それだけに各分野の専門医と密接な連携が築けているので、ケースによっては大学の専門医に依頼して「すわのき歯科クリニック」で診療される体制も組まれている。
どのような状態でも患者さんが不便にならないように、つねに「患者さんの利便性を第一」に考えて健康をサポートする真の地域密着型クリニック「すわのき歯科クリニック」。開業10周年からの新しい旅立ちがいよいよスタートした。