地方であっても都会と変わらないつねに高いレベルの診療をめざす
関門海峡のすぐそば山口県下関市で開業して18年目を迎えた「山崎歯科クリニック」。
医院の診療スタイルの進化とともに2015年7月に全面リニューアルを行った。
開業時はごく一般的な歯科医院
本州最西端で関門海峡北岸に位置する下関市。山口県で最大の人口を要する地方の中核都市である。
JR下関駅から歩いて7分の場所に「山崎歯科クリニック」がある。鮮やかな赤に塗られた外観は地域のランドマークになっている。開業は1997年で院長は山崎章弘先生。「ここは実家の金物業の倉庫として使っていた場所です。開業時は2階が診療室で3・4階を母と私の住居にしていたのですが、今は3階をスタッフルーム、4階を技工所として使っています」。
開業当初は、地方にどこにでもある一般的な歯科医院だったと先生は語られる。オープンスペースの診療室にユニット4台、地域のファミリー層を対象にしていた。ただ、日々の対処療法的な診療には、多少の疑問も感じていたという。
「実は大学時代から臨床が好きで、著名な先生方の臨床写真を見るのが好きでした。そのつど、自分もこんなレベルの高い包括診療をしてみたい、という意欲が膨らみ開業5年目頃からスタディーグループ『SJCD』に入って本格的に勉強を始めました」
※「山崎歯科クリニック」のアイキャッチは赤いペイント。2階が診療所で3階はスタッフルーム。
4階は院長室と院内ラボから独立した歯科技工所「Stella」が入居する。
すべての治療用ユニットにはマイクロスコープを装備
全国の著名な先生方からレベルの高い診療ノウハウを学ぶうちに、歯科医院の雰囲気も変わってきた。地方だから保険診療中心というイメージも、自分たちが勝手に思い込んでいるだけで、患者さんの本当のニーズとは解離があった。
「患者さんといろいろお話をすると、思った以上に全顎的にトータルな治療を望まれている方も多かったのです。そのような人たちの要望に応えるためにも、CTやマイクロスコープなど器材を徐々に導入し、さらに、医院の特長をより明確にするために2015年7月に全面リニューアルしたのです」
リニューアル後の診療室はすべて完全個室。メインテナンス専用で2ブース、治療用の2ブースと広めのオペ室の全5ブースで構成されている。オペ室と治療ブースにはジーシーのマイクロスコープ3台が装備されている。「改装前は1台でしたが、他のチェアで患者さんのエンドが診たいとか、ちょっとここだけは使いたいということが頻繁に出てきたので、治療用として使う3つのチェアにマイクロスコープを導入しました。マイクロスコープを使い始めてから治療のグレードが上がったことを実感しますし、今ではマイクロスコープなしでは思うような治療が出来ませんね」。
先進器材の導入は治療技術に対する投資
CTのプロマックス3Dはインプラント治療が増えてきた数年前に導入された。
「リニューアルを機に、ユニットもメインテナンスルームはイオムのレガロスマート2台、治療用にイオムレガロ3台と全台入れ替えました。大型器材の選定には各社の製品を比較・検討したのですが、機能や保守点検体制、企業の信頼度、価格面などすべてを考慮してジーシーが良かったので導入しました。器材はより高度な診査・診断、治療をサポートするもので、自分の治療技術に対する投資だと思います。治療レベルを維持し、さらに向上するためにも器材に対する攻めの投資は必要です」
いま「山崎歯科クリニック」は、ハイレベルの治療と回復した健康を維持するメインテナンスの両輪でしっかり患者さんを支えている。健康とQOLの向上を望む患者さんの意識に寄り添うことで、地方発であっても素晴らしい臨床成果を上げられることを山崎先生は証明してくれている。