「デンタルクリニックで待ち合わせ」そんなイメージで歯科医院を利用してほしい
2009年の開業以来、30代のファミリー層を中心に地域で評判の「村上デンタルクリニック」。
ここには、これまでにない新しい歯科クリニックの姿がある。
ワンダーランドのような心地良さ
不思議なクリニックである。訪れる人を優しく包んでくれる空間は、ここが歯科医院であることを忘れさせてくれる。
「テーマは北欧・フィンランドです。自然と共に生きる北欧の人びとの生活へのこだわりや温もりが好きで、医療空間にもそのようなセンスを表現したかったのです」と院長の村上卓巳先生。
広い待合室の壁には森をイメージしたイラストと、ムーミンの世界が北欧家具とともに展開される。
5つの診療ブースにアクセスする通路は、まさに温かい光のワンダーランドである。暖色系の間接照明が通路、診療室を照らし北欧の街を作り上げる。ユニットは、フィンランドに本社があるプランメカ社のGコンパクトiが設置されている。さらに奥の個室には、壁の黒板キャンバスに北欧をモチーフにしたフリーハンドのイラストレーションが描かれている。それを見ているだけでもタイムトリップできる。
イラストはすべて、イラストレーターである院長の奥様が描かれた。
※広々した待合室と受付。北欧の自然をテーマに、壁には森を想像させる大きな木のアートが配されている。
歯科医院のイメージを変えたい
『怖い』『痛い』という歯科医院のイメージを変えたいのです。口は食べる・話す・感情表現などに欠かせない健康の入り口です。口の機能を回復することで人生をより豊かにすることもできます。だから、歯科医院を生活の中で当たり前の場所としていただき、気軽に来てもらいたいのです」と村上先生。
広い診療室は先生と患者さんのコミュニケーションの場にもなる。イメージを変えるためには治療や空間演出も必要だが、最も大切な要素は院長なりスタッフの人間性だという。
「私という人間をわかってもらい、この人ならすべて任せたいと思われることが大切だと思います。そのためにも、歯科以外のことでも人として患者さんとコミュニケーションしたいのです」
村上先生は音楽・芸術・旅が好きで、本当はミュージシャンになりたかったと言う。「私は自分があっての歯科医師です。だから、音楽も旅も人と接するツールで、まず私に興味を持ってもらうことから歯科医療もスタートすると考えています」
※全ての診療室において消毒・滅菌に万全を期し、患者を迎える。
人々の心のランドマークにしたい
「開業前からユニットはプランメカと決めていました。コンパクトでシンプルなデザインはまさに北欧のこだわりで大好きです。低反発シートでリラックスできるので患者さんにも好評です」
今年の初めには、X線もプランメカ社のプロマックス3Dを導入した。
開業医である以上、すべての治療に精通していること。そのためにも何が起きても対応できるように設備は整えた。そして、いかにバランスのよい医療を患者さんに提供できるかにこだわっている。
「歯科と違う世界に興味を持つと医療にも幅が広がります。また、時代はデジタルですが最後は人間の手です。医療にもアナログ的な手間をかけることが大事で、それが本当の信頼につながると思います」
村上先生は、このクリニックを人々の心のランドマークにしたい。理想は、カフェのように「村上デンタルクリニックで待ち合わせ」というように利用してもらいたいと語る。