愛する地元で歯科医療で地域に貢献したい
東京郊外の八王子市の一角に突如現れた目をひく白い建物。
地域の人は「長澤さん家の歯医者さん」と、驚きとともに親しみを持って迎えてくれた。
生まれ育った地元で開業
東京多摩南部の八王子市めじろ台。高尾山に近く、団塊世代が働き盛りの頃は新興住宅街として拓けたが、その子供たちが巣立つと高齢者ばかりの地域になっていた。ところが、近年高尾地区の再開発も始まり若い世代も戻り子供の多い地域に変ってきた。
2014年11月開業の「長澤歯科医院」も、そのような世代の仲間なのかもしれない。院長の長澤孝浩先生が生まれ育ったのもこの地元である。「この土地は、祖父の畑でした。父は教師で、教え子に歯医者がいて子供の頃からお世話になり、地元に貢献できることに憧れていました。大学卒業後、その先生の元で約10年間勤務医を経験させていただいたあと、地元であるこの地に開業しました」
開業して約半年、順調なスタートをきった。子供からお年寄りまでみんなが待っていたように来院される。
アットホームなデザイナーズ歯科医院
「開業する1年以上前から看板を出しました。デザインに凝った看板だったので地域でも話題になっていたようです」と長澤先生。出来上がった建物を見て、それ以上にみんなは驚いた。宙に浮いたような建物だったからだ。
「歯科衛生士の妻の同級生が建築士なのでお願いしました。浮いているのは自宅で、診療所は奥の平屋部分です。ランドマークのような外観ですが、診療空間はオーソドックスです」
院内はフラットなウォークインタイプの動線分離である。3つの診療室は半個室でプランメカ社のGコンパクトiタッチが設置されている。「衛生面と清掃性で選びました。子供やお年寄りにも楽な足折れタイプで、最低位も低いので喜ばれます。また、3Wayシリンジの先が細いのもすごくお気に入りです」。
院内表示の意匠や色使いにはこだわりがある。そんな雰囲気の中でも夕方になると、どこからか幼い子供の声が響いてくる。「保育所からうちの子供が戻ると診療所に連れてきます。患者さんにはマスコットのように可愛がってもらっていて、時には受付にいたりします」。と、アットホームな一面もある。
※グラフィックデザイナーにイメージの統一も依頼し、院内の掲示物はすべて意匠にこだわった。
「治療後が本番です」と患者さんに
長澤先生は時間の許す限り患者さんとお話をされる。小さなお子さんには歯の大切さをお母さんにお話しして、お年寄りには歯医者の必要性を説明される。
「治療が終わってからが本番だという意識づけをしたいのです。きれいな歯を保つことで、寿命よりも歯が長持ちするかもしれない。そのためにも、気軽に歯のクリーニングに来てもらえるような歯科医院にしたいのです。子供たちには私が歯科医師を目指したように、歯医者さんに憧れてもらいたい。もし、そんな子供たちが歯科医師や歯科衛生士になって勤務してくれたら嬉しいですね」
地元で地域医療に徹する長澤歯科医院。外観や院内のデザインがお洒落なだけでなく、先生の考え方もすごくお洒落で、どのように発展していくのか楽しみでもある。