【体験版】新たな修復材料の魅力~充填・支台築造用ファイバー強化型フロアブルコンポジットレジン~
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19 健全で美しい天然歯の構造。それを再現する機能と美の追求。歯科治療において機能性と審美性との両立を達成するためには、天然歯の形態や構造をよく観察する生体模倣(Bio-mimetics)という考え方が重要である。Biomimetic con-ceptに基づく治療は、天然歯の自然な構造や生物学的特性を最大限に保存しながら、失われた歯質を補完することで歯の寿命を伸ばすことを目的とする文献1)。 この生体模倣という考え方が広く知れ渡ってきている現 残念ながら、歯の破折(ヒビが入る)は、心が折れるのと同じくらいよくあることである。患者が硬いものを噛むと、亀裂は咬頭から象牙質、時には歯髄へと伝播する。すでにコンポジットレジンが入っている歯でも、象牙質にヒビが入ることはよく経験する。修復歯にこのようなことが起こらないようにできたら素晴らしいと思うのは筆者だけではないはずである。 天然歯が生涯にわたって咀嚼や熱による負荷に耐えることができるのは、非常に硬い組織(エナメル質)と、より柔軟な組織(象牙質)の構造的・物理的相互関係の結果である。歯の表面にクラックが生じた場合は、エナメル質から象牙質に向かって増加する破壊靭性によりクラック進展の防止に役立っている。しかし、従来型コンポジットレジンではこれと同様の特性は有していない。破壊靭性とは脆性材料が荷重を受け医療法人一祥会 Nao歯科・矯正歯科院長南野卓也在、その根幹をなすのが確実な“接着”である。直接修復、間接修復ともに確実な接着を達成するためには、確実な防湿・接着操作、接着界面の重合収縮応力の開放、適合の良い補綴装置を製作できる適正な形成量・形成デザイン、確実な光照射など、押さえておくべきポイントは多岐にわたる。今回は、間接修復治療に焦点を置き、充填・支台築造用ファイバー強化型フロアブルコンポジットレジン エバーエックス フローの活用法を症例を通じて提示したい。た時に亀裂が進展することに対する抵抗力である。従来型のコンポジットレジンでは強度が不足しているわけではないが、靭性が不足している文献2)。そのため、コンポジットレジンの表面にクラックが入った場合、クラックは下方向、つまり窩洞深くまで進展し、周囲の歯質へと進行するのを止めることはできない。その結果、修復物の破折や歯の破折を引き起こす。 エバーエックス フローはレジンマトリックスと無機ガラス繊維およびフィラーからなる材料である。フィラーとしてシラン処理を施した140μmのガラス繊維が15-25 %配合されている。 ファイバー配合の結果、歯質のより深い部分へのクラックの進展を防止することにより、修復物や周囲歯質および歯根の破折リスクを軽減する(図1-1, 2)文献3)。Biomimetic concept and state-of-the-artクラックの伝播を阻止するエバーエックス フローを用いた間接法接着修復の潮流strong to the core

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