従来より行われてきた歯周治療における外科療法は、歯周ポケットを除去する目的で行う切除療法と、組織の再生を目的とした組織誘導療法に大きく分けられる。しかしどちらの歯周外科療法とも、歯周組織を元と同じ状態に回復することはできない。
特に重度の歯周疾患に罹患し、歯周ポケットが骨縁下におよんでいる症例では、フラップ手術を行い、骨切除や骨整形などにより支持組織を減少させて歯周ポケットをなくすか、またはルートプレーニングを行い、線維性結合を伴わない長い上皮性付着での治癒を期待するしかなかった。
そこで失われた歯周支持組織の付着を再生させるという、まったく新しい概念から生まれたのが、GTR法(組織再生誘導法)である。GTR法は、フラップ手術後に歯根膜細胞の増殖スピードより早い上皮細胞、歯肉結合組織由来細胞の増殖をバリヤー膜で遮断し、歯根膜組織を誘導し、新付着を形成させる方法である。
初期のGTR法では、非吸収性膜-ePTFE膜が用いられてきた。しかし非吸収性膜は組織誘導完了時期に再手術し、除去しなければならず患者にかける負担が大きかった。その点ジーシーメンブレンは吸収性膜であるため、除去する必要がなく、術者・患者ともに負担が少ない。今回ジーシーメンブレンを右下7番の遠心部垂直性骨欠損に応用し、良好な結果を得たので報告すると共に臨床応用上の注意点について述べる。
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