地震や水害による医療機器の取り扱いに関する確認及び注意事項

 地震や水害による自然災害に遭った多くの医療機器は、そのまま使用できません。
 浸水した又はその可能性のある医療機器は、外観に大きな損傷などがなくとも、電源を入れず、下記の事項に沿ってご対応いただきますようお願いします。
 また、地震により転倒や落下、ときに施設内の漏水により水を被った医療機器も同様に、電源を入れず、下記の事項に沿ってご対応いただきますようお願いします。

Ⅰ 確認事項

【断⽔および停電中】

  1. 診療室の配電盤電源ブレーカーをOFFにしてください。
  2. 診療室の止水栓を閉めてください。
  3. 医療機器が移動、転倒、破損していないことをご確認の上、製造販売業者又は専門業者にご連絡ください。特に、歯科用ユニットやX線装置などの大型医療機器をむやみに移動させることは絶対に避けてください。

【断水および停電解消後】

製品を安全にご使用いただくため、必ず製造販売業者又は専門業者による点検を受けた上で、以下の作業を行ってください。

  1. 断水後は濁った水が出て、チェアユニットなどの水回路が詰まる可能性があります。
    まず、屋外の散水栓、単水栓(水のみの水栓)などから水の濁りがなくなるまで吐水してください。混合水栓、サーモ水栓やトイレなどから吐水すると水栓・機器類の故障の原因となります。次に、シンクキャビネットや消毒コーナーなど、診療室内にある⼀般蛇口からも水の濁りがなくなるまで吐水し、さらに、周囲で水漏れがないことをご確認ください。
  2. 水漏れがないことを確認後、医療機器のメインスイッチをONにしてください。歯科用ユニットの場合は、止水栓を開いてください。漏電ブレーカーが作動する場合は、製造販売業者にご連絡下さい。
  3. 歯科用ユニットでは、鉢洗い機能を作動させ、洗浄水が濁らなくなるまで吐水してください。また、歯科用ユニット周囲で水漏れがないかをご確認ください。
  4. 一旦、メインスイッチをOFFにし、医療機器の取扱説明書に従って、適切な清掃・消毒・滅菌を行ってください。

Ⅱ 医療機器注意事項

 医療機器を安全にご使用いただくため、以下の項目にご注意下さい。
 電気を使用する医療機器が浸水又は水(海水を含む)を被った場合は、絶対に電源を入れないで下さい。水が付着した電気回路に通電すると、短絡などが発生して部品の故障、電気部品以外の構造部品も含んだ部品や配線などの交換が必要になる恐れがあります。
 製造販売業者又は専門業者に相談し、医療機器の点検を行ってください。
 機器が乾いている場合であっても、製造販売業者あるいは専門業者の点検なしで医療機器に通電すると、漏電などによる誤動作・感電・発煙などが発生する危険性があります。また、一旦正常に起動したとしても、将来的に医療機器の不具合・誤動作・感電・発煙などが発生する恐れがあります。

【歯科用ユニットについて】

歯科用ユニットの水回路の残留水排出(フラッシング)は、製造販売業者の取扱説明書に従って、歯科用ハンドピースホース(エアタービン、モータ、スケーラー)から各医療機器を取り外し、3WAY シリンジのノズルも取り外して実施して下さい。

【X線装置について】

コンピューター断層診断装置(CT)、パノラマX線装置、デンタルX線装置などは、転倒の危険がある場合、近づかない様にするための処置をして下さい。

【歯科用ハンドピース類(エアタービン、モータ、スケーラーなど)について】

歯科用ハンドピース類は、製造販売業者又は専門業者による分解清掃後、給油・滅菌してご使用下さい。

【その他の医療機器について】

給水、給湯、排水などの管路が接続されている医療機器は、接続状況に問題がないか、ご確認の上ご使用下さい。特に、給水、給湯管路は、断水後に濁った水が出る場合があります。

【パソコンについて】

浸水又は水を被ったパソコンは、火災や感電、漏電などの危険があります。電源を入れずに、修理業者などにお問い合わせください。

【鋼製器具類について】

水(海水を含む)などにさらされた鋼製器具は、一定時間経過後に錆びや腐食などが発生することがあります。製造販売業者の添付文書や取扱い説明書に従って、適切な洗浄・滅菌・乾燥を行ってください。

Ⅲ その他

【浸水や水を被っていないと思われる医療機器について】

床下浸水の場合、歯科用ユニットやその他の医療機器が浸水又は水を被っていないと思われる場合であっても、浸水により床下にある配線や配管などの安全性が損なわれていることがあります。
安全性が確認できない場合は、製造販売業者又は専門業者に依頼し、床下配線、配管など、また、絶縁及びアース接地などの安全性の確認を行ってください。

【感染予防】

浸水した医療機器及び泥水などが入り込んだ空気や水の管路(歯科用ユニット、歯科用ハンドピース、コンプレッサ及び床下配管など)は、そのまま使用すると感染症を引き起こす可能性があります。
使用前に必ず医療機器の添付文書や取扱説明書に記載された消毒又は滅菌、或いは医療機器を交換した上でご使用ください。
その他の医療機器の詳細情報については、製造販売業者などにお問い合わせください。

 

地震や水害による医療機器の取り扱いに関する確認及び注意事項