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約30年の間に7%程度だった8020達成率は50%を超え、少歯高齢社会から多歯超高齢社会になりました。
欠損歯列への対応は、“患者が継続して来院できる「よく咬める」、「より美しく」を目標とする機能回復の時期”と“高齢化によって継続性が途絶えがちになり、不自由がない・不満がない・不便ではないといった「不の払拭」を機能回復の目標にする時期”が混在し、より複雑になりました。本講演では、「いつか磨けなくなる日」が来るまでに私達には何ができるのか自問自答している日常臨床の一端を紹介したいと考えています。
多歯超高齢社会におけるパーシャルデンチャーを考える
Moderator/Lecture 鷹岡竜一 先生 東京都港区 鷹岡歯科医院 |
パーシャルデンチャーの3原則は「動かない・壊れない・汚れない義歯」であり、よく咬める義歯を実現する要件といってもいいだろう。しかし欠損歯列は慢性疾患であり、完全治癒がなく歯の喪失などに伴う術後対応は不可欠で、義歯の原則に「修理・改造が容易なこと」という項目が付け加えられた。本講演では、未来が読みにくい欠損歯列に、患者がいつまでも通院できるという前提で作られたパーシャルデンチャーの行く末を多歯超高齢社会を見据えて再考してみたい。 |
歯を失わずに
長持ちできる欠損補綴
Lecture 黒田昌彦 先生 東京都千代田区 黒田歯科医院 |
8020が達成されれば補綴処置の必要が無くなる。ただし高齢化が進み20歯よりも少ない方が増えれば、パーシャルデンチャーの適応が増えてこよう。パーシャルデンチャーを1度製作したならば、できるだけ長い年数で使用できるようにしたいものだ。近年のパーシャルデンチャーの平均的生存率は20年弱である。その生存率を延伸できれば患者さんに喜ばれそうだ。 |
欠損歯列への
取り組みから見えてきた個別性への対応
Lecture 壬生秀明 先生 東京都府中市 壬生歯科医院 |
欠損歯列の治療目標は機能回復と欠損進行の抑制ですが、どこまでの回復を目指すのか、また進行抑制に手を打つのか、それは積極的経過観察を通じて疾病の行方を読み、患者の真の希望を探ることで見えてくるのではないでしょうか。 超高齢社会の中、患者個人と個体の変化に歩調を合わせ、過不足のない処置を提供したいと日々考えております。現在術者が取り組んでいる患者の個別性への配慮と対応を提示させていただきます。 |
よく咬める、より美しくという補綴装置から不自由がないという補綴装置へ