10月29日(木)・30日(金)の両日にわたり、仙台市・仙台国際センターにて「日本歯科保存学会2009年秋季学術大会(131回)」が開催され、約1,150名の参加登録者があり、たいへん盛会でした。
学術大会は、特別講演2題、シンポジウム、認定研修会、臨床セッション3題、ランチョン・セミナー2題、外国招聘者を囲むセミナー、口演発表65題、ポスター発表168題が行われました。大会長は、東北大学大学院歯学研究科口腔修復学講座歯科保存学分野の小松正志教授でした。
特別講演IIでは、明海大学歯学部保存修復学分野の片山直教授を座長に、東京医科歯科大学名誉教授で日本歯科大学客員教授の中林宣男先生が「保存修復において「象牙質接着」と「象牙質保護層」ではどちらが重要か」という演題にて講演されました。修復物の脱落は支台歯の塩基性のHAP(ヒドロキシアパタイト)が乳酸の中和により消費され、う窩が形成されることが原因であり、酸不透過性の防護壁たる樹脂含浸象牙質を露出象牙質表層に作ることが肝要であると説かれました。更にはエナメル質をう蝕に罹患させない日常生活を送るよう指導することが、保存修復学の究極の目標であると結論付けられました。
シンポジウムでは、「ガイドラインに基づいた保存治療」と題し、東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野の島内英俊教授をコーディネーターに、う蝕治療ガイドライン作成委員会、及び2人の先生方が講演されました。
島内先生が、「本シンポジウムの目指すもの、そしてoverview」と題した本シンポジウムの開催趣旨を説明された後、「MI(Minimal Intervention)を理念としたエビデンス(根拠)とコンセンサス(合意)に基づくう蝕治療ガイドライン」との演題にて、う蝕治療ガイドライン作成委員会(日本歯科保存学会医療合理化委員会内設置)より、「基準指針に基づいた歯内療法」との演題にて、東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野の庄司茂講師より、「歯周病患者に対するインプラント治療?歯周病学的見地に立ったインプラントの治療指針?」との演題にて、明海大学歯学部歯周病学分野の申教授より講演がありました。
なお、次回大会は、2010年6月4日(金)・5日(土)に熊本市・崇城大学市民ホール(市民会館)他にて東京医科歯科大学大学院う蝕制御学分野の田上順次教授を大会長に開催される予定です。
仙台国際センター
A会場(大ホール)
ポスター会場
展示会場