9月18日(土)?20日(月・祝)の3日間にわたり、OVTA財団法人海外職業訓練協会 国際能力開発支援センターにて「日本歯科衛生学会第5回学術大会」が開催され、1,300名を超える参加登録があり盛会でした。
「歯科衛生の可能性の追求?チーム医療の現場から?」をメインテーマに、特別講演、シンポジウム、教育講演、市民フォーラム、会員発表プログラムとして口演発表47題、ポスター発表104題が行われました。
大会長は、社団法人千葉県歯科衛生士会の岡部明子会長でした。
教育講演では、日本歯科衛生士会の金澤紀子会長が「歯科衛生士業務を考える ―歯科衛生士勤務実態調査結果から―」をテーマに、平成21年10月に実施された「第7回歯科衛生士勤務実態調査」から各歯科衛生士業務の実施状況と教育研修の履歴状況に関する調査結果を示されました。チーム医療における歯科衛生士業務のこれからの方向性と課題、教育研修の在り方を考える、興味深い報告でした。
特別講演は、国際医療福祉大学大学院の大熊由紀子教授が「超高齢社会の人生の質―歯科衛生士さんの活躍次第です―」をテーマにご講演されました。元朝日新聞論説委員ならではの鋭い視点から日本の介護の問題点を提起され、まだ日本では介護の分野における歯科衛生士の実力は広く認められていないが、歯科衛生士の活躍は不可欠であり、超高齢社会の役に立つという思いを持ち、国民の視点で活躍してほしいとお話されました。
シンポジウムは、「チーム医療へのアプローチ」の演題にて行われました。基調講演として東京歯科大学歯科麻酔学講座の一戸達也教授より、「口腔と全身の関係―これだけは知っておこう―」のテーマにて、歯科診療の際に慎重な配慮が必要となる全身疾患や常用薬との関係について分かりやすく解説され、関連職種と情報を積極的に共有する姿勢、さらには情報を提供する姿勢が重要であり、チーム医療にて中核をなす歯科衛生士の出番であるとお話されました。
その後、岡山大学病院医療技術部歯科衛生士室腫瘍センター歯科衛生士の杉浦裕子先生が「小児病棟におけるがん患者への対応?口腔を通して多職種の中で患者の未来を考える?」、独立行政法人労働者健康福祉機構関西ろうさい病院の歯科衛生士高野敬子先生が「歯科診療における糖尿病患者への対応」、熊本機能病院口腔ケアセンターの歯科衛生士古川由美子先生が「リハビリテーション病棟における摂食・嚥下機能障害への対応」をそれぞれのテーマに、歯科衛生士が関わるチーム医療の最前線についてお話され、ディスカッションでは、全身疾患について学ぶことの必要性や時代の変化の中で必要とされる知識・技術を習得する卒後研修の在り方について活発な意見交換がなされました。
次回の学術大会は、2011年9月23日(金・祝)?25日(日)に朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターにて、社団法人新潟県歯科衛生士会の三富純子会長を大会長に開催される予定です。
会場入口
開会式
教育講演
シンポジウム
ポスター会場
展示会場