5月9日(金)~11日(日)の3日間にわたり、東京都・品川区立総合区民会館「きゅりあん」にて、「第109回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、約1,900名の参加者がありました。 学術大会では「新しい歯科補綴のパラダイム-補綴における美の追求-」をメインテーマに、特別講演、メインシンポジウム、臨床シンポジウム、臨床教育研修、研究教育研修、技術・技工セッション、認定医研修、課題口演、口演発表、ポスター発表などが行われました。 大会長は、日本大学歯学部補綴学教室局部床義歯学講座の石上友彦教授でした。 特別講演では、東京大学工学部電子情報工学科の原島博教授が「いい笑顔―コンピュータで探る-」の演題にて、コンピュータでの顔画像解析による表情の研究を通じたコンピュータ顔学の最新成果を紹介され、いい笑顔とは自分を若く見せ、自分や相手を楽しませ、いい人間関係をつくるものであると述べられました。 メインシンポジウムでは「形態・機能美からトータルな美へ」のテーマにて東京医科歯科大学大学院の大山喬史教授を座長に、東京芸術大学美術学部の宮永美知代先生が「美術に表現された微笑」について、九州支部の筒井昌秀先生が「包括歯科における審美の位置づけ」について、日本歯科大学の中原リザ子教授が「美の体内的起源についての考察」について、岩手医科大学歯学部の石橋寛二教授が「補綴にみる審美のシークエンス」について講演され、歯科における美を芸術的、臨床的、矯正学的、補綴学的各視点より捉えた見解が述べられました。 臨床シンポジウム1では「磁性アタッチメントを用いた補綴臨床」のテーマにて鶴見大学歯学部の細井紀雄教授を座長に、東北大学大学院歯学研究科の木村幸平教授が「白金鉄系磁石合金の可撤式クラウン・ブリッジへの応用」の演題で白金系磁石合金ならび磁性ステンレス鋼の歯科鋳造用合金としての可能性について話されました。また、愛知学院大学歯学部の星合和基先生が「術後調査から見えてくるもの」の演題で同大学における丸10年の臨床実績と長期にわたる術後観察から分かった磁性アタッチメントの適応症と禁忌症について、東北・北海道支部の誉田雄司先生が「磁性アタッチメントの臨床-鋳接からダイレクトボンド法ヘ-」の演題でキーパーにおける鋳接の問題点を指摘され、その改善としてのダイレクトボンド法について講演されました。 なお、次回大会は、10月24日(金)・25日(土)に長野県民文化会館にて開催される予定です。 |