9月17日(土)・18日(日)の両日にわたり、青森県・弘前市民会館他計4会場にて「第35回日本口腔インプラント学会総会・学術大会」が開催され、約1,200名の参加登録がありました。 今回は、「先進展開するインプラント治療-エビデンスとコンセンサスを求めて」をメインテーマに、特別講演をはじめ、シンポジウム、教育口演、課題口演、国際ワークショップ、一般口演、ポスター発表、市民フォーラム等、広範囲にわたる内容の発表が行われ、たいへん盛況でした。 大会長は、弘前大学医学部歯科口腔外科学講座の木村博人教授でした。 特別講演は、アメリカ・ペンシルベニア大学のProfessor Edwin S.Rosenbergによる”Evidence Based Implantology”、アメリカ・UCLAのProfessor Ichiro Nishimuraによる”Evidence for Advancing and Developing Oral Implantology”、慶應義塾大学法科大学院助教授・医学部外科助教授の古川俊治先生による「信頼される口腔インプラント診療を目指して-医事紛争防止の観点から-」の3題の発表がありました。 シンポジウムIは、「口腔インプラント診療におけるOptimal Treatment Guideline」のテーマにて、東京都ご開業の武田孝之先生がモデレーターを務められ、インプラント治療における、適切なガイドラインの確立に重要な3つの評価項目(欠損歯列の評価、残存歯の評価、歯の喪失に伴う退行性変化を起こした組織の評価)について議論されました。補綴の視点から栃木県ご開業の椎貝達夫先生が、歯周病の視点から東京都ご開業の西堀雅一先生が、外科の視点から九州歯科大学口腔外科学第2講座教授の高橋哲先生が、それぞれの長期にわたるインプラント治療経験から解説いただきました。 シンポジウムIIは、「即時荷重インプラントの理論的背景と診療の実際」のテーマにて、秋田大学医学部附属病院歯科口腔外科教授の宮本洋二先生がモデレーターを務められ、従来患者様に科せられていた治療期間の長期化と、暫間補綴物に関する不便さと言う問題を解決する方法として近年注目されている即時荷重について報告がありました。東京医科歯科大学大学院インプラント・口腔再生学分野助教授の塩田真先生より、「即時荷重インプラントの歴史と理論的背景」を、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面補綴学分野教授の市川哲雄先生より、「即時荷重インプラント治療法と補綴的背景」を、宮本洋二先生より、「無歯顎および多数歯欠損症例への即時荷重インプラントの応用」を、中谷歯科医院副院長・大阪大学歯学部臨床教授の堀内克啓先生より、「インプラント治療における即時荷重のガイドライン」をそれぞれ発表されました。 なお、次回学術大会は、新潟市・朱鷺メッセにて、2006年9月16日(土)・17日(日)に開催される予定です。大会長は、日本歯科大学新潟歯学部の畑好昭教授です。 |