5月18日(金)・19日(土)の両日にわたり、横須賀芸術劇場にて「第50回春季日本歯周病学会学術大会」が開催され、1,500名以上の参加登録者があり、たいへん盛会でした。 学術大会は、特別講演、臨床特別講演、シンポジウム2題、専門医教育講演、歯科衛生士教育講演、一般講演、歯科衛生士講演、ランチョンセミナー5題、市民公開講座他が行われました。 大会長は、神奈川歯科大学歯学部口腔治療学講座歯周病学分野の出口眞二教授でした。 特別講演では、「疾病の医療から健康の医療へ:歯周病学のパラダイム変換」と題し、大会長である出口眞二教授を座長に、国立保健医療科学院口腔保健部長の花田信弘先生により、「全身の健康づくりへの貢献」という視点からみた治療の必要性や、口腔保健医療関係者に対する教育が重要であろうとの講演がありました。 シンポジウムIでは、広島大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学の栗原英見教授を座長に「歯周治療から健康増進へ」のテーマにて、それぞれの分野における第一人者の医師・歯科医師、4名のシンポジストの先生がご講演されました。東京慈恵会医科大学糖尿病学・代謝・内分泌内科の田嶼尚子主任教授は「糖尿病からみたメタボリックシンドローム」について、広島大学大学院医歯薬学総合研究科健康増進歯学の西村英紀教授は「歯周病とメタボリック症候群」について、鹿児島市立病院産婦人科部長で周産期医療センター所長の波多江正紀先生は「早産、低出生体重児出生のメカニズム」について、北海道医療大学歯学部歯科保存学第一講座の古市保志教授は「歯周病と早産・低体重児出産」について講演されました。 シンポジウムIIでは、日本歯周病学会前理事長で愛知学院大学歯学部歯科保存学第三講座の 野口俊英教授の座長にて「新たに作成された日本歯周病学会による歯周病の用語、分類、治療指針-適切な歯周治療の普及を目指して-」と題し3名のシンポジストがご講演されました。日本歯周病学会用語委員長で新潟大学大学院医歯学総合研究科歯周診断・再建学の吉江弘正教授が「「歯周病専門用語集」の発刊とその意味」について、東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学の島内英俊教授が「エビデンスに基づいた歯周病の診断と分類-日本歯周病学会による歯周病分類システム(2006)の策定に当たって-」について、日本大学歯学部歯科保存学第三講座の伊藤公一教授が「学会主導型ガイドライン「歯周病の診断と治療の指針」の利用に向けて」について、それぞれ講演され最後に活発なディスカッションが行われました。 歯科衛生士教育講演では、スマイルケアマネージャーの土屋和子先生をコーディネーターに、「それぞれの環境・立場で仕事の質を高める-5名の歯科衛生士による様々な視点-」と題し、5名の歯科衛生士の方々が、臨床で活躍される歯科衛生士に向けて、元気が出るメッセージとともに臨床経験や臨床でのポイントやコツをご講演されました。 ランチョンセミナーV(主催:株式会社ジーシー)では、東京都中央区でご開業の小川洋一先生から「トップダウントリートメントを再考察する-各症例における理想的な補綴条件を考える-」との演題で豊富な臨床例をもとにご講演いただきました。 なお、次回大会は、2007年9月21日・22日に東京国際フォーラムにて東京歯科大学の山田了教授を大会長に日本歯周病学会50周年記念大会として開催される予定です。 |