5月15日(金)・16日(土)の両日にわたり、岡山市・岡山コンベンションセンター(ママカリフォーラム)にて「第52回春季日本歯周病学会学術大会」が、「有病者・高齢者医療の中での歯周病治療の役割」とのテーマにて開催され、約1,600名の参加登録者があり、たいへん盛会でした。
学術大会は、特別講演、特別論考会、韓国歯周病学会会長講演、シンポジウム2題、学会学術賞受賞記念講演、歯科衛生士・コメディカルスタッフシンポジウム、一般口演、ポスター発表、ランチョンセミナー5題、市民公開講座他が行われました。
大会長は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の高柴正悟教授でした。
シンポジウムIでは、鳥取市立病院院長で岡山大学名誉教授の田中紀章先生を座長に、「有病者・高齢者の口腔(歯周病)治療」とのテーマにて開催されました。岡山県赤十字血液センターの石丸文彦先生が「臓器移植・HIVなどの易感染患者?造血幹細胞移植を中心に?」、静岡県・米山歯科クリニックの米山武義先生が「歯科から提案する誤嚥性肺炎の予防戦略?歯周病治療が肝炎予防の要?」、新潟県医歯学総合病院講師の中島貴子先生が「心血管疾患患者の歯周病治療?踏まえておきたいエビデンス?」、広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授の西村英紀先生が「糖尿病と歯周病?歯周医学新時代?歯周医学と加齢医学の融合?」との演題にて、全身疾患における口腔内細菌および歯周病原菌の影響や医科・他職種との連携など、現状と求められることについてお話しされました。
シンポジウムIIでは、「健康国家への挑戦?歯の健康力?」とのテーマで、日本歯周病学会理事長で日本大学歯学部教授の伊藤公一先生を座長にて開催されました。鶴見大学歯学部教授の花田信弘先生が「生活習慣病の予防因子あるいは危険因子としての歯の役割」、東京歯科大学教授の井上孝先生が「歯科医療からの脱却?エビデンスに基づく口腔医療を目指して?」、岡山大学大学院教授の森田学先生が「特定健康診査・特定保健指導における歯周病予防対策の可能性?医療保険者による生活習慣病対策の導入をめぐって?」、参議院議員の石井みどり先生が「医療政策上の支援?国会議員の立場から」との演題にてそれぞれご講演され、全身の健康や全身の状態を見据えた上での歯科医療のあり方とその実現性についてディスカッションがなされました。
歯科衛生士・コメディカルスタッフシンポジウムでは、日本歯周病学会衛生士関連委員会委員長で日本歯科大学生命歯学部教授の沼部幸博先生を座長に「有病者・高齢者医療における歯科衛生士・コメディカルスタッフの役割」とのテーマにて開催されました。社団法人日本歯科衛生士会会長の金澤紀子先生から「歯科衛生士の現状と課題?他職種連携のチーム医療を目指して?」、特定医療法人万成病院歯科課長の藤原ゆみ先生から「時代に求められる歯科衛生士へ!高齢者医療臨床現場からの発信」、札幌市立大学看護学部講師の村松真澄先生から「看護師の立場から、歯科との連携を考える」との演題にてそれぞれご講演があり、歯科衛生士・コメディカルスタッフの職種間の連携や地域に出る活動がこれからますます求められることなどがお話しされました。
なお、次回大会は、2009年10月11日(日)に宮崎市・宮崎観光ホテルにて九州大学大学院歯学研究院歯周疾患制御学の前田勝正教授を大会長に開催される予定です。
岡山コンベンションセンター
会場入口
A会場(コンベンションホール)
B会場(イベントホール)
ポスター会場
展示会場