5月20日(金)・5月21日(土)の両日にわたり、鹿児島市・かごしま県民交流センター・宝山ホール(鹿児島県文化センター)にて「歯周病治療の洗練と革新?未来への架け橋?」をテーマに、「第59回春季日本歯周病学会学術大会」が開催され、多くの方の参加登録者数があり、たいへん盛会でした。
学術大会は、特別講演2題、シンポジウム3題、国際セッション口演、特別教育講演、認定医・専門医教育講演、歯科衛生士教育講演、倫理委員会企画講演、学会学術賞受賞記念講演、歯科衛生士シンポジウム、市民公開講座、ランチョンセミナー7題、一般演題口演36題、歯科衛生士口演4題、一般演題ポスター60題、臨床(認定医・専門医)ポスター70題、歯科衛生士症例ポスター9題、企業展示などが行われました。
大会長は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の野口和行教授でした。
特別講演Iでは、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の野口和行教授を座長に、「歯の移動とメカニカルストレス」との演題にて、東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野の山本照子教授が、矯正的歯の移動においても、歯肉溝浸出液および歯周組織にはさまざまなサイトカインが発現しており、IL-1 β,IL-2,IL-6,IL-12,IL-8,IL-18,RANKL,M-CSF,GM-CSF,TGF- β,TNF- α およびIFN- γ などは、免疫応答を調整する因子であるとともに、メカニカルストレスによる破骨細胞形成に影響を与えると考えられる。とご講演されました。
特別講演IIでは、新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食環境制御学講座歯周診断・再建学分野の吉江弘正教授を座長に、「Clinical Concepts and New Developments for Treatment of Soft Tissue Defects at Teeth and Dental Implants」との演題にて、Department of Periodontology, Dental School University of BernのProf.Anton Sculeanがご講演されました。
シンポジウムIでは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の和泉雄一教授を座長に、「抗菌的光線力学療法は歯周病治療に有効か?」をメインテーマに3名のシンポジストがご講演され、防衛医科大学校 分子生体制御学講座の守本祐司准教授より、「光線力学作用によって誘導される自然免疫の活性化が抗菌効果を左右する」との演題にて、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の青木章講師より、「歯周病原細菌への光の効果とaPDTの基礎的研究?LEDの応用」との演題にて、明海大学 歯学部 口腔生物再生医工学講座 歯周病学分野の辰巳順一准教授より、「抗菌光線力学療法(a-PDT)を用いた歯周病治療への臨床応用を探る」との演題にて、それぞれご講演されました。
シンポジウムIIでは、広島大学大学院医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門歯周病態学研究室の栗原英見教授を座長に、「大規模歯周組織再生を目指した細胞治療開発の新展開」をメインテーマに3名のシンポジストがご講演され、東北大学大学院歯学研究科 分子・再生歯科補綴学分野の江草宏教授より、「iPS細胞を用いた骨組織再生技術の開発」との演題にて、佐賀大学医学部臓器再生医工学講座の中山功一教授より、「臓器再生を目指したバイオ3Dプリンタの開発とその応用について」との演題にて、広島大学病院 歯周診療科の加治屋幹人先生より、「骨髄間葉系幹細胞集塊C-MSCを用いた新規細胞治療法の開発」との演題にて、それぞれご講演されました。
シンポジウムIIIでは、明海大学歯学部 口腔生物再生医工学講座 歯周病学分野の申基喆教授を座長に、「インプラントの長期安定を求めて?インプラントのメインテナンスとサポーティブセラピーを考える?」をメインテーマに3名のシンポジストがご講演され、日本大学松戸歯学部 歯周治療学講座の教小方頼昌教授より、「日本歯周病学会インプラント実態調査から考える:インプラント長期安定性はどの程度か?」との演題にて、医療法人社団誠敬会 誠敬会クリニック内科・歯科の田中真喜先生より、「インプラント患者のメインテナンス時に診るべきポイントとは?」との演題にて、神奈川歯科大学大学院歯学研究科 高度先進口腔医学講座インプラント歯周病学分野の児玉利朗教授より、「インプラント周囲疾患に対するサポーティブセラピー」との演題にて、それぞれご講演されました。
なお、次回大会は、2015年10月7日(金)、10月8日(土)に朱鷺メッセ、日本歯科大学新潟生命歯学部歯周病学講座の佐藤聡教授を大会長に開催される予定です。
かごしま県民交流センター
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B会場
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