「GC友の会 学術講演会 東京ステップアップ講演会」を開催しました

 4月21日(日)に、ベルサール渋谷ファースト B1Fにて、「GC友の会 学術講演会 東京ステップアップ講演会」を開催し、800名を超える参加登録があり盛会でした。
 今回は、「教えて!歯を守る歯周治療 ―歯科医師・歯科衛生士にできること―」をメインテーマに、福岡県福岡市 歯科・林美穂医院の林美穂先生、歯科衛生士の延田万里先生、大阪府大阪市 医療法人貴和会 新大阪歯科診療所の佐々木猛先生、歯科衛生士の西村憂子先生にご講演いただきました。

 今回のご講演は3つのテーマに沿ってご講演いただきました。テーマ1:「歯周治療の診査・診断からコンサルテーション」では、林美穂先生が「診査・診断の勘所~原因を考え、患者さんの情報を読み取る歯周治療とは」の演題にて、佐々木猛先生が「患者さんの意識を変えると歯周治療が変わる」の演題にて、テーマ2:「歯周基本治療~基本=簡単ではありません」では、西村憂子先生が「歯周基本治療で治せるはず…なのに治らない。何が足りない~」の演題にて、延田万里先生が「必要なSPT・メインテナンスは十人十色。この患者さんには何をすべきか」の演題にて、テーマ3:「歯を残すために必要なオプションを持つ」では、佐々木猛先生が「保存が困難な歯に何が必要なのか歯周外科の欠点を知り、利点を活かす」の演題にて、林美穂先生が「残せる歯~残せない歯~を見極めるには…先端医療が教えてくれた歯を残せる可能性」の演題にて、それぞれ、ご自身の経験された心に残る症例を口腔内写真、レントゲン画像などを踏まえて、分かりやすくお話いただきました。

 林美穂先生からは、歯周治療の成功は歯科医師だけで成し遂げられるものではなく、まず、歯科衛生士とチームで歯周治療に取り組むシステム作りが必要であり、その上で患者さんに治療の重要性を理解していただき、信頼関係を構築しモチベーションを保ちながら歯周治療を成功に導く必要があるという、コンサルテーションの重要性と、実際にスタッフと共に取り組んで行った歯周治療症例の経過をご紹介いただきながらお話いただきました。
 佐々木猛先生からは、歯周病が成人の約8割が罹患し、う蝕と並ぶ「歯を失う2大疾患」のひとつであるにも関わらず、重度に進行しないと症状を自覚しにくい疾患であることから、患者が治療の必要性を理解しづらく、適切な治療が施術されにくい現状にあることを踏まえ、歯周外科処置の特徴や利点、欠点、適応症などを考察するポイントとともに患者のモチベーションアップに繋がる患者教育についても絡めたお話をしていただきました。
 歯科衛生士のお二人の講師からは、それぞれの院長先生のお考えを踏まえて、どのようなことに気を付けて日常のご診療に携わっているか、患者さんとの関わりや歯周治療をどのように進めているかを、ご担当された患者さんの症例を紹介しつつ、お話いただきました。
 西村憂子先生からは、歯周治療において、歯周基本治療からメインテナンスの流れの中で、診査によって術部の状態を把握して適した器具を選択し、適切な器具操作を心がけることで目的にかなった良好な結果が得られることを、SRP時に歯や歯肉に対して考慮しながら行っていることと併せてお話しいただきました。
 延田万里先生からは、歯周治療は治療が終了しても終わりではなく、患者の口腔内に歯やインプラントが存在する限り、SPTやメインテナンスとして続くものであり、歯科衛生士は最も患者と寄り添い、永く患者に関わり続けることが出来る素晴らしい職業であること、超高齢社会の今、より永く患者ご自身の歯で噛むことができ、QOLを高めていただくために、個々の患者の口腔内に応じたSPTやメインテナンスが必要であることなどを、治療後のメインテナンスに焦点を当て、五感を使った治療を行うことの大切さについて分かりやすくお話しいただきました。
 また、講演会最後の質疑応答では多数のご質問をいただき、大変盛況にて閉会いたしました。

 材料製品の展示コーナーでは、今回、講演中ご紹介いただいた、予防関連製品ルシェロシリーズより「ルシェロ歯ブラシ」、「ルシェロペリオブラシ」、「ルシェロ歯みがきペースト ホワイト」、「PTCペースト ルシェロホワイト」、新製品の音波振動歯ブラシ「プリニアスマイル」、イオン放出型充填用材料「ケアダインレストア」、骨補填材「サイトランスグラニュール」等を展示し、多くの先生方にご覧いただきました。


ベルサール渋谷ファースト

会場玄関口


B1F会場入口

会場受付

講演 林美穂先生

講演 佐々木猛先生

講演 西村憂子先生

講演 延田万里先生

満員の会場内

展示コーナー