スプリントレジンLCの臨床応用

GC CIRCLE No.87

顎関節症の原因としては、咬合異常のほか、ブラキシズム、クレンチングなどの異常習癖や、精神的ストレスなどがあげられ、年々その患者数は増加しているように思われる。

顎関節症の治療で一般的に広く用いられているのがスプリント療法である。その材料としては従来、軟性レジン、常温重合レジン、加圧重合レジン、金属などがあり、それぞれ一長一短がある。今回用いたジーシースプリントレジンLCは、光重合型スプリントレジンで、従来多く用いられてきた常温重合レジンや、加圧重合レジンより、重合収縮や変形が少なく、操作性が優れており、また充分な強度と適度な弾性性質があり、スプリントとして有効な材料であると思われる。

今回、間接法と直接法で応用したが、間接法では模型圧接時に手指や器具にべとつかず、技工操作が容易で短時間に行えた。また直接法では、口腔内で歯列に圧接し光重合器で予備重合した後、適度な弾性があるため撤去が容易であった。

装着後は適合がよく、弾性があるため保持力があり、患者自身の着脱も容易で、また半透明なため審美性にも優れ、良好な結果が得られた。

 


症例 写真をクリックすると、それぞれの症例が表示されます。

 

症例1
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間接法
症例2
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直接法
著者

野村 修一

新潟大学 歯学部加齢歯科学講座 教授

河野 正司

新潟大学 歯学部補綴学第一講座 教授