マイルドリベロンLCを用いた臨床例 ―効果的な使い方について―

GC CIRCLE No.88

あっという間に高齢社会に突入した昨今、日常臨床でリライニングを行う機会が多くなった。数種類のリライニング材がある が、意外と使い分けがなされていないように思われる。そこで、直接リライニング用光重合レジンとして開発された「マイルド リベロンLC」の効果的な使い方についてご報告させていただく。

本材料は、低刺激性モノマーの採用により口腔粘膜への刺激や不快な臭いをさらに軽減し、常温重合型レジンのような熱刺激が ないために、口腔内であわてることがなく、充分な機能運動が行えるので、より正確なリライニングが行える。

何よりも、混和をして盛り上げまでの粘度上昇が早めに発現するために挿入時や機能運動時にタレることがほとんどなく、効率 的なリライニング作業が行える。また口腔内では速やかに適度なゴム状になり、操作時間も充分に確保される。

この優れた流動性とその硬化特性のために、クラスプを有するパーシャルデンチャーやアンダーカットの著しい症例には、撤去 不能になることもなく、ハサミで形態を整えられるために、最適であることはご承知の通りである。

さらに本材料は、特に辺縁部が短かったり、薄くて辺縁封鎖が不足しているような症例には、一度にあるいはその上に追加補正 して厚みを改善できるために、チェアータイムが従来よりも短縮へとつながり、まさにリライニング時に不可欠な材料といえ る。

 


 

  症例写真をクリックすると、それぞれの症例が表示されます。


 

症例1
症例2
症例3
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一般的な症例
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辺縁封鎖が不足
している症例
(上顎)
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辺縁封鎖が不足
している症例
(下顎)
著者

中村 順三

北海道札幌市開業