寒天・アルジネート連合印象は、日常臨床でも最も頻繁に用いられる印象法である。その理由としては、
- 臨床的に必要な精度が得られる
- 安価である
- 特別な装置を必要としない
- 再印象時にも心理的負担が少ない
などが挙げられよう
近年、寒天印象材とアルジネート印象材の接着性の問題も改善され、ぬれの良さやフローに優れた点などから印象法としての利便性は、広く認識されるようになっている。
その半面、フローが良すぎてアルジネートの圧接時に支台歯周辺から逃げてしまったり、あるいは物理的強度が弱く、ちぎれやすいなどの問題点が指摘されてきた。
今回、ジーシー社より発売された「アローマロイド」は寒天・アルジネート連合印象の利点はそのままに、寒天の濃度を高めることにより大幅な改良がなされている。特に弾性が増し、支台歯に寒天を盛り上げて厚さを確保することが容易になったことと、適切なチキソトロピー性の付与によりアルジネート印象材の圧接時に適度な流動性を発揮するので、アルジネート印象材を軟らかめに練和する必要がなくなった。そのため、印象全体の精度にも一段と信頼性が増し、ポスト及び歯肉縁下マージンの印象採得時に必要な強度の向上が図られたことが実感された。以下、この新しい寒天印象材の操作感を紹介する。
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