6月22日(土)~23日(日)にわたり、かごしま県民交流センターにて、「日本スポーツ歯科医学会第30回総会・学術大会」が開催され、多くの参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会は、メインテーマに「女性とスポーツ・スポーツ歯科」サブテーマに「スポーツデンティスト維新~口からの健康~」を掲げ、シンポジウム、特別講演、海外招待講演、市民公開シンポジウム 特別講演、市民公開シンポジウム、ランチョンセミナー2題、SDHセミナー、DTセミナー、一般口演9題、ポスター発表67題など、多彩な発表が行われ、たいへん盛況でした。 大会長は、今給黎総合病院歯科口腔外科部長・スポーツ歯科外来の吉田雅司先生、副大会長は、鹿児島県歯科医師会会長の伊地知博史先生でした。
シンポジウムは、新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命福祉学専攻の白水雅子先生を座長に、「女性とスポーツ歯科」をメインテーマに5名のシンポジストがご講演されました。演題及び演者は以下の通りとなっております。 「新時代におけるスポーツ歯科医学の役割 できること、これからすべきこと」新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命福祉学専攻の白水雅子先生、「スポーツ歯科の多様性~女性の状況から振り返る~」鹿児島大学病院歯科総合診療部の吉田礼子先生、「歯科衛生士から見た海外の歯科事情とスポーツ歯科~世界のスポーツ歯科から認定SDHの役割のヒントを得る~」医療法人孝英会 西方ファミリー歯科/じゅのう歯科クリニックの長谷川ナナ先生、「女性歯科技工士としてスポーツ歯科にどのようにかかわるのか~「 アスリートアントラージュ」の中の歯科技工士~」デンタルラボ・エッセンスの緒方香代先生、「 女性スポーツデンティストの活動と役割」日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野の勝谷七穂先生
特別講演は、今給黎総合病院歯科口腔外科部長・スポーツ歯科外来の吉田雅司先生を座長に、法政大学スポーツ健康学部の山本 浩先生が「おもてなしの日本 毅然としたドイツ~女性活躍の国にスポーツを見る~」という演題にてご講演されました。 ご講演では、「ドイツ予防リハビリスポーツ歯科医学会DGzPRSport」という名のスポーツ歯科医組織では、トップアスリートに向けたテンプレートとマウスガードの提供はもちろんだが、パフォーマンス発揮に影響を及ぼす口腔内の炎症姑策と歯肉に良い影響を与える栄養についても研究を進めている。ドイツでも英知を集めて競技力向上に間断なく突き進んでいる。歯科医学の世界もさることながら、練習現場、体育の授業、試合会場、剣道道場と訪れる場所ごとに新しい発見のオンパレードだった。日本では目にしない珍しいやり取りも、和洋の文化の相達から来るものではなく、むしろ社会の今日性に対応するための手立てだったように見えてならない、とお話しされました。
海外招待講演は、東京歯科大学口腔健康科学講座スポーツ歯学研究室の武田友孝先生を座長に、慶熙大学校歯学部長/韓国スポーツ歯科学会会長のProf. Kung-Rock Kwonが「"The activities of sports dentists in the Pyeongchang Olympics"」という演題にてご講演されました。
市民公開シンポジウム 特別講演は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野の杉浦 剛先生を座長に、株式会社ジーシー/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻口腔機能再構築学講座歯髄生物学分野の千坂香菜先生が「パラスポーツと車いす」という演題にてご講演されました。
ご講演では、2014年、両下肢に麻痺が生じ、突然の入院生活が始まった。当時、大学病院で歯科医師として勤務しており、忙しいながらも充莫した生活を送っていた。その後、脊髄に良性腫瘍が見つかり、約9か月に及ぶ入院生活を経て、車いすユーザーとなった。医療機器メーカーヘ転職後の2016年に、車いすフェンシングと出会い、競技生活をスタートさせた。2017年には長女を出産し、2018年から、アジアパラ競技大会をはじめとする国際大会へ出場する機会を得た。車いす生活の実際やパラスポーツの国際大会の様子、仕事・家事・育児・競技の両立に悪戦苦聞している姿をお話しされました。
市民公開シンポジウムは、株式会社ジーシー/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻口腔機能再構築学講座歯髄生物学分野の千坂香菜先生を座長に、「女性とスポーツ」をメインテーマに5名のシンポジストがご講演されました。演題及び演者は以下の通りとなっております。
「女性と持久競技 ~長時間走れる体作りの大切さ」フリーランスアナウンサーの有賀真姫先生、「 私を創る新体操からのかけがえのない出会い」かごしま新体操クラブ代表の吉田涼子先生、「#野菜女子」マミーズカフェの米永千代美先生、「 競技中や日常生活に於ける心身に作用する『高耐性のメイク法』」氣粧院 代表/メディカルメイクセラピストの原口裕未先生、 「 めざせ!生き生きとした輝く女性」~ボディメイクで理想の自分に~」医療法人 いのクリニック/フリーインストラクターの井埜奈々絵先生
なお、次回大会は、2020年12月5日(土)~6日(日)にJMSアステールプラザにて、広島大学大学院医歯薬保健学研究科先端歯科補綴学教授の都賀一弘先生を大会長に開催される予定です。
講演 千坂香菜先生