「日本歯科保存学会2002年度秋季学会(第117回)」が開催されました

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2002.11.27

「日本歯科保存学会2002年度秋季学会(第117回)」が開催されました

11月21日(木)・22日(金)の両日にわたり、徳島県郷土文化会館にて「日本歯科保存学会2002年度秋季学会(第117回)」が開催されました。今回は「第4回日韓歯科保存学会学術大会」が併催され、約900名の参加者が集まりました。
学会では、招待講演1題、特別講演1題、シンポジウム2件、認定医研修会1題の他に、口演発表58題、ポスター発表116題、臨床セッション6題が行われました。
大会長は、徳島大学歯学部歯科保存学第一講座の松尾敬志教授でした。

招待講演では韓国のSeoul National UniversityのSung-Sam-Lim教授が「Clinical Implications on Immunological Studies in Endodontics」の演題にて、今後のエンド治療における根尖でのバクテリアに対する免疫学的研究の重要性を示唆されました。
また、特別講演では大阪大学総長の岸本忠三教授が「21世紀の医学と医療」の演題にて、既に解読された人遺伝子情報を基に病気という現象を遺伝子学的見地から解説し、医療の将来像を示されました。

シンポジウム1では「Cariology-Pulp Biologyとの連繋を求めて-」というテーマにて、新潟大学歯学部の興地隆史教授を座長に4名のシンポジストが講演を行いました。発表ではう蝕という病態をより生物学的見地より捉え、細菌の挙動、進入経路、免疫反応、再生工学的う蝕処置などについての研究報告がありました。
また、シンポジウム2では「歯周組織はなぜ破壊される-歯周治療の将来展望を見据えて-」というテーマにて、大阪大学大学院の村上伸也教授を座長に、5名のシンポジストの講演がありました。発表では歯周病という病態と機序を分子レベルで解明し、歯周治療の将来展望が示唆されました。

さらに認定医研修会では神奈川歯科大学の寺中敏夫教授が「Minimal Intervention
と無機・有機フッ素化合物」という演題にて、根面う蝕の修復治療におけるグラスアイオノマーセメント、レジン配合型グラスアイオノマーセメント、コンポマー、フッ素徐放性コンポジットレジンのフッ素の効果について解説されました。特に有機フッ素化合物(フッ化炭素)を含む材料等はきわめて不活性で、口腔内では色素やプラークが付着しにくくなりう蝕の予防に役立てることが可能であることなどを基礎的研究成果から示されました。

なお次回大会は、2003年6月5日(木)・6日(金)に、大会長は日本大学松戸歯学部の池見宅司教授、会場は東京・森のホール21にて開催の予定です。

徳島県郷土文化会館
徳島県郷土文化会館
大ホール
大ホール
ポスター会場
ポスター会場
展示会場
展示会場