6月11日(木)・12日(金)の両日にわたり、札幌市・札幌コンベンションセンターにて「日本歯科保存学会2009年春季学術大会(130回)」が開催され、約 1,200名の参加登録者があり、たいへん盛会でした。
学術大会は、特別講演2題、シンポジウム2題、認定研修会、ランチョン・セミナー2題、外国招聘者を囲むセミナー、口演発表60題、ポスター発表162題が行われました。
大会長は、北海道医療大学歯学部う蝕制御治療学分野の斎藤隆史教授でした。
特別講演Iでは、大会長の斎藤隆史教授を座長に、京都大学大学院医学研究科口腔外科学分野の別所和久教授が「硬組織再生医療を目指して」という演題にて講演されました。骨再生を中心に軟骨再生や歯の再生など、口腔領域の臨床において最も必要とされる、硬組織再生療法についての研究結果および、臨床応用への展望についてお話されました。
シンポジウムIでは、「今後の硬組織疾患治療のあり方を考える」と題し、北海道大学大学院歯学研究科歯科保存学教室の佐野英彦教授をコーディネーターに、4人の先生方が講演されました。
演題および演者は以下の通りとなっております。講演1「診査・診断に基づいたう蝕治療のあり方」、東京歯科大学総合診療科の高瀬保晶准教授、講演2「再石灰化から見た初期齲蝕と象牙質知覚過敏」、神奈川歯科大学口腔治療学講座保存修復学分野の向井義晴准教授、講演3「バイオアクティブな修復材料を用いた進行性う蝕に対する戦略的アプローチ」、大阪大学大学院歯学研究科口腔分子感染制御学講座の今里聡准教授、講演4「漂白における歯質の光学的・色彩学的検討」、朝日大学歯学部口腔機能修復学講座歯冠修復学分野の堀田正人准教授でした。
シンポジウムIIは、「象牙質・歯髄複合体再生療法の現状と展望」と題し、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科保存修復学分野の吉山昌宏教授をコーディネーターに、こちらは5名の先生方が講演されました。
演題および演者は以下の通りとなっております。講演1「歯髄幹細胞を用いた歯髄の再生」、国立長寿医療センター研究所口腔機能再生研究室の中島美砂子室長、講演2「残存歯髄からの誘導による象牙質?歯髄複合体の再生」、九州歯科大学口腔治療学講座齲蝕歯髄疾患制御学分野の北村知昭准教授、講演3「MTAによる歯髄再生の可能性と骨再建に関した生体材料の選択と臨床応用」、日宇歯科・矯正歯科の大久保厚司院長、講演4「象牙質フォスフォフォリンによる象牙質再生の可能性」、北海道医療大学歯学部う蝕制御治療学分野の安田善之准教授、講演5「象牙質再生と再建のハーモナイゼーション」、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科保存修復学分野の西谷佳浩准教授でした。
認定研修会では、日本歯科大学生命歯学部歯科保存学講座の勝海一郎教授を座長に、「歯科保存治療専門医研修ガイドラインと保存修復治療」と題し、大阪歯科大学歯科保存学講座の山本一世教授が講演されました。ガイドラインの中から保存修復分野の9項目の内、「MIコンセプトによる修復治療」および、「歯科用レーザーを用いたう蝕治療」の2つに力点を置いて解説されました。
なお、次回大会は、2009年10月29日(木)・30日(金)に仙台市・仙台国際センターにて東北大学大学院歯学研究科歯科保存学分野の小松正志教授を大会長に開催される予定です。
会場外観
A会場(大ホール)
ポスター会場
展示会場