「日本歯科衛生学会第10回学術大会」が開催されました

 9月20日(日)?22日(火・休)の3日間にわたり、札幌コンベンションセンターにて「日本歯科衛生学会第10回学術大会」が開催され、約1,300名の参加登録があり盛会でした。
 「食べる楽しみを支える口腔ケア」をメインテーマに、記念講演、特別講演、教育講演、シンポジウム、道民フォーラム、交流集会、研究討論会、ワークショップ、ランチョンセミナー、口演発表52題、ポスター発表114題が行われました。
 大会長は、一般社団法人北海道歯科衛生士会の武藤智美会長でした。

 記念公演は、「歯科衛生士法改正と業務の展望」をテーマに、公益社団法人日本歯科衛生士会顧問で前会長の金澤紀子先生が、ご講演されました。
 高齢化の進展につれ、医療の内容が大きく変わってきている現状で、歯科衛生士法の改正の経緯を踏まえ、歯科衛生士の専門性をどの様に発揮していくかに付いてお話しされました。

 特別講演は、「最期まで口から食べるための在宅支援と地域づくり」をテーマに、全国在宅療養支援診療所連絡会会長で医療法人社団つくし会理事長の新田國夫先生がご講演されました。
 口から食べることの意味を見直し、多職種協働で摂食嚥下に取り組むことの重要性や、医師と歯科医師の共同作業が、在宅における摂食嚥下障害の患者に必須であることをお話しされました。

 教育講演1では、「回復期・慢性期の食事支援としての対応?口腔のサルコペニアと摂食嚥下障害?」をテーマに札幌西円山病院歯科診療部長の藤本篤士先生がご講演されました。
 口腔器官を機能させるためには、筋肉の減少や減弱(サルコぺニア)に対するアプローチが重要で、歯科が医療の中で大きな役割を担い「食べる」ことを守っていく必要があると説かれました。

 教育講演2では、「スペシャルニーズのある人の歯科保健と食の支援?歯科衛生士との協働作業?」をテーマに梅花女子大学看護保健学部口腔保健学科長で教授の森崎市治郎先生がご講演されました。
 障害児・者における食行動異常は、集団生活や社会適応の面にも障害となる場合が多く、その対応には狭義の歯科診療だけでは対応が難しいので、歯科衛生士・歯科医師の協働作業で社会生活への適応支援が大切であるとお話しされました。

 教育講演3では、「歯科衛生研究倫理と倫理審査について」をテーマに、東京歯科大学副学長で社会歯科学研究室教授の石井拓男先生がご講演されました。
 人を対象とする医学系研究の指針では、研究責任者の役割と責務が明確にされており、その重要性が強調されている。侵襲についての理解を充分に持っていることが研究責任者に求められているとお話しされました。

 シンポジウムは、「食べる楽しみを支える多職種の連携」をテーマにて行われました。基調講演として「地域で食べる楽しみを支えるために?地域包括ケアシステムの視点から?」をテーマに、東京都健康長寿医療センター研究所社会科学系専門副部長の平野浩彦先生が講演され、続いて講演1として「看護師の立場から」をテーマに、北海道医療大学看護福祉学部教授の山田律子先生が、講演2として「管理栄養士の立場から」をテーマに、地域食支援グループハッピーリーブスの安田淑子先生が、講演3として「歯科衛生士の立場から」をテーマに、一般社団法人全国在宅療養支援歯科診療所連絡会副会長で元気なお口研究会まほろば代表の渡邊由紀子先生がそれぞれご講演されました。

 次回の学術大会は、2016年9月17日(土)?19日(月・祝)に広島国際会議場にて、一般社団法人広島県歯科衛生士会の浮田瑞穂会長を大会長に開催される予定です。


札幌コンベンションセンター

札幌コンベンションセンター

メインホール

メインホール


ポスター会場

ポスター会場

展示会場

展示会場