5月20日(金)?22日(日)の3日間にわたり、広島国際会議場にて、「第120回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、約1,800名の参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会も引続き、「咬合・咀嚼が創る健康長寿?補綴歯科が発信するライフイノベーション?」をメインテーマに、特別講演、国際セッション招待講演、理事長講演、メインシンポジウム、シンポジウム2題、ジョイントシンポジウム3題、研究セミナー、臨床スキルアップセミナー、臨床リレーセッション5題、市民公開講座の他、課題口演発表、一般口演発表、ポスター発表など、多彩な発表が行われ、どちらの会場もたいへん盛況でした。
大会長は、広島大学大学院医歯薬学総合研究科先端歯科補綴学教授の赤川安正先生でした。
特別講演は、学会理事長の古谷野潔教授を座長に、独立行政法人国立長寿研究センター総長の大島伸一先生が「新しい時代の医療・介護の連携」という演題にて講演されました。超高齢社会を迎えた日本は、従来の医療からどのように脱皮するのか、大きな転換点に立っている。病院で完結した「治す」医療から、地域全体でみていく「治し支える」医療への転換であり、そのためには地域のあらゆる資源を利用した、人的、組織的な連携が欠かせないと説かれました。
メインシンポジウムは、大会長の赤川先生を座長に、「バイオエンジニアリングが拓く歯科補綴イノベーション」とのテーマにて4名の先生方の発表がありました。補綴歯科治療のより良い予後と患者のQOLの向上、健康長寿につながるためのイノベーティブな新素材・材料や医療技術の開発を推進するために、バイオエンジニアリングの研究動向の最前線を明らかにされました。UCLAワイントロープ再建生体工学研究所の西村一郎教授が「歯科補綴バイオエンジニアリング」という演題で基調講演をされ、続いて3名のシンポジストが講演されました。演者・演題は以下の通りです。九州大学大学院歯学研究院インプラント・義歯補綴学の鮎川保則講師:「臨床ニーズに即した骨再生のストラテジー」、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学の園山亘先生:「自己組織幹細胞による歯の機能再生」、大阪大学大学院歯学研究科歯科補綴学第一の江草宏先生:「歯肉をiPS細胞源とする補綴歯科治療の可能性」。
なお、次回大会は、2012年5月26日(土)、27日(日)に神奈川県民ホール他にて開催される予定です。大会長は、東京歯科大学有床義歯補綴学講座の櫻井薫教授です。
広島国際会議場
第1会場(フェニックスホール)
ポスター会場
展示会場