5月30日(土)?31日(日)の両日にわたり、大宮ソニックシティにて、「第124回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、約2,800名の参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会は、メインテーマに「補綴歯科から発信する医療イノベーション ?豊かな食生活のために?」を掲げ、特別講演2題、シンポジウム3題、臨床リレーセッション3題、臨床スキルアップセミナー、専門医研修単位認定セミナー、委員会セミナー、モーニングセッション、イブニングセッション6題、市民フォーラム、ランチョンセミナー6題の他、課題口演9題、一般口演59題、ポスター発表120題など、多彩な発表が行われ、どちらの会場もたいへん盛況でした。
大会長は、明海大学歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野 大川周治教授でした。
特別講演1は、大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 矢谷博文教授を座長に、藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座の東口高志先生が「食べて治す、食べて癒す」をテーマとして「急性期、回復期、維持期病棟のNSTから在宅介護現場の栄養管理」という演題にてご講演されました。2010年のわが国の死亡者数は約120万人であったが、急激な高齢化に伴って20?30年後に170万人に膨れ上がる。これに対してわが国の病床数は減少の一途をたどっている。要するに「50万人の患者の命」が路頭に迷うことになる。このような将来の危惧すべき事態に対する対策のひとつが適正栄養管理の推進とシステム構築を含めたグローバル化と考える。すなわち、栄養管理を駆使した社会福祉体制を如何に早く構築するかが重点課題となるとお話されました。
特別講演2 は、九州大学大学院歯学研究院インプラント・義歯補綴学分野 古谷野潔教授を座長に、Pasadena,CAのDr.Baldwin Marchack 先生が「Recent advances in digital dental technology:The future is here」という演題にて、ご講演されました。今日の修復治療において、デジタルデンティストリーはもはや欠くことのできないエレメントとなった。その中心にあるのは、より信頼性の高い審美修復を可能とする種々のセラミック材料、そして、その高い適合性を実現する加工技術すなわちCAD/CAMシステムであと述べられ、デジタル歯科技術の最新情報と今後の展望についてもお話されました。
教育講演は、大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 前田芳信教授を座長に「スポーツに対して歯学・歯科補綴学が果たす役割」をメインテーマに2名先生がご講演されました。演者および演題は以下の通りとなっております。明海大学歯学部社会健康科学講座口腔衛生学分野の安井利一教授より「歯科臨床におけるスポーツ歯学」という演題にてご講演されました。また、岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座の近藤尚知教授より「アスリートの咬合を守るために」という演題にてご講演されました。
なお、次回大会は、2016年7月9日(土)、10日(日)に石川県金沢市の石川県立音楽堂、ホテル金沢、金沢都ホテルにて開催される予定です。
大会長は、大阪大学大学院歯学研究科 前田芳信教授です。
大宮ソニックシティ
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