6月15日(金)~17日(日)にわたり、岡山コンベンションセンター(ママカリフォーラム)、ホテルグランヴィア岡山にて、「第127回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、多くの参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会は、メインテーマに「補綴歯科の挑戦と進化」を掲げ、理事長講演、メインシンポジウム、特別講演、海外特別講演、国際シンポジウム、シンポジウム6題、臨床リレーセッション2題、臨床スキルアップセミナー、研究教育セミナー、歯科医療安全対策推進セッション、専門医研修会、委員会セミナー3題、日中韓セミナー、ハンズオンセミナー4題、イブニングセッション5題、ランチョンセミナー3題他、課題口演9題、一般口演51題、ポスター発表127題など、多彩な発表が行われ、たいへん盛況でした。 大会長は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 咬合・有床義歯補綴学分野教授の皆木省吾先生でした。
特別講演は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科咬合・有床義 歯補綴学分野教授の皆木省吾先生を座長に、東京大学大学院工学研究科教授の染谷隆夫先生が「医療と融合するウェアラブルエレクトロニクスの現在と未来」という演題にてご講演されました。
これまで我々多くの補綴歯科医はユーザーとして 「医療機器」を用いた診療・研究活動に参加していた。しかし新たな時代では、何を・どのように計測し、ビッグデータをどう使用するのかを「企画」する ことが次世代の情報化医療を主体的にドライブするために重要となる。そのためには、先端工学で何が可能となっているのかは必須の情報といえる。
近年の IoT(Internet of Things)の概念もまた、既存の健康関連生体計測機器のあり方に大きな変化を与えている。複雑な操作を必要とする携帯型端末やアプリの概念は過去のものとなり、高齢者にも導入できるように容易化・無意識化が急速に達成されつつある。使用者は最低限の手順でIoTを通じて健康管理などの恩恵を受けることが可能となる。医療との密接な融合を始めているにウェアラブルエレクトロニクスの現在、未来についてお話されました。
海外特別講演は、昭和大学歯学部歯科補綴学講座教授の馬場一美先生を座長に、Restorative Dentistry,University of California,LosAngelesのSreenivas Koka先生が「高齢者における補綴治療の意義と考察」という演題にてご講演されました。
急激な高齢化に伴い、疾病構造の変化ばかりでなく医療を支える社会基盤も激的に変化し、医療のあり方自体にも変革を求められている。
特に高齢者を対象とする補綴歯科治療において、こうした社会背景を考慮した治療戦略・対応が求められ、患者個々のニーズ、社会心理的な背景、運動機能・認知機能の低下も含めた全身的な健康状態を考慮した対応は必須である。超高齢社会における補綴歯科治療の社会的役割、治療法選択も含めた患者対応についてお話されました。
ランチョンセミナー2を株式会社ジーシーが共催させていただき、東北大学大学院歯学研究科分子・再生歯科補綴学 教授の江草宏先生から、「小臼歯CAD/CAM冠の臨床評価から考える 大臼歯CAD/CAM冠の勘どころ」と言う演題にてご講演いただきました。
ポスター発表においては、弊社研究員・佐藤慶太より「「セラスマート 300」 に対する 「ジーセム ONE」 のセメント接着性評価」を星野小町より「セラスマート 300 の擬似的クラウン形状における破壊荷重」を重光勇介より「炭酸アパタイト製人工骨 「サイトランス グラニュール」 の開発 骨置換後の骨質評価」をそれぞれ発表させていただきました。
なお、次回大会は、2019年5月10日(金)~12日(日)に札幌コンベンションセンターにて、北海道大学大学院歯学研究院口腔機能学分野口腔機能補綴学教室教授の横山敦郎先生を大会長に開催される予定です。
岡山コンベンションセンター入口
ランチョンセミナー 江草宏 先生
展示会場