「第114回日本補綴歯科学会学術大会」が開催されました (10/5)

 2005.10.5

「第114回日本補綴歯科学会学術大会」が開催されました

  10月1日(土)・2日(日)の両日にわたり、新潟市・朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)にて「第114回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、1,600名を超える参加者がありました。
  今回は、「咬合・咀嚼が創る健康長寿」をメインテーマに、特別講演、シンポジウム、臨床教育研修、研究教育研修、課題口演、一般口演、ポスター発表、市民フォーラム等が行われ、たいへん盛況でした。
  大会長は、新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食機能再建学の河野正司教授でした。

  特別講演は、新潟大学教育研究院自然科学系教授で新潟大学副学長の濱口哲先生より、「“メダカ”に学ぶバイオサイエンス-補綴学のサイエンスのために-」を講演いただきました。昔から馴染みの深い愛玩動物としての“メダカ”から、世界中の生命科学研究者に使われる標準的な実験動物・学名Oryziasとしての“メダカ”、あるいは2002年に2番目に性決定遺伝子DMYが同定された脊椎動物としての“メダカ”という学術的観点から“メダカ”を見つめる興味深い講演でした。

  シンポジウムIは、大会長の河野正司教授を座長に、「支台歯をふやすストラテジー-(歯の)移植とインプラント-遊離端欠損症例を中間欠損状態に変化させるために」という演題にて行われました。欠損歯列の中に支台歯を増やす方法として、自家歯牙移植とインプラントのそれぞれの有用性について臨床家、研究機関それぞれのお立場から5名のシンポジストが登壇されました。 シンポジストは、新潟県三条市でご開業の榎本紘昭先生、東京都国立市でご開業の下地勲先生、東京歯科大学臨床検査学教授の井上孝先生、日本歯科大学新潟歯学部総合診療科教授の渡邉文彦先生、新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食機能再建学の澤田宏二先生でした。

  シンポジウムIIは、東北大学大学院歯学研究科口腔システム補綴学教授の佐々木啓一先生を座長に、「歯科補綴のストラテジックプラン」という演題にて行われました。歯科補綴の将来像の展望、未来価値の創出を目指し、中長期的な戦略的なプランを考えていきたいとの意向のもと、4名のシンポジストが熱く語られました。シンポジストは、北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一講座教授で本学会副理事長の平井敏博先生、長崎大学医学部・歯学部附属病院専門歯科講師の田上直美先生、岡山大学大学院医歯学総合研究科顎口腔機能制御学講師の前川賢治先生、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面補綴学教授の市川哲雄先生でした。

  市民フォーラムは、「広げよう!要介護者への口腔ケア-噛める入れ歯と口腔ケアで介護予防-」をメインテーマに2部構成にて開催され多くの市民の方が参加されました。
  第1部は、「関係者の連携による要介護者への歯科治療・口腔ケアの推進に向けて」をテーマに、平成14年から3年間にわたり実施された、要介護者の口腔ケアを確保するためのシステム作りに関する研究(クリニカルパス(標準工程表)の作成)に関する基調講演が2題発表されました。
  第2部は、「実践 介護予防のための口腔ケア」をテーマに3題発表されました。介護予防重視の方針の元平成元年から要介護者の歯科保健医療確保に取り組む新潟県歯科医師会の挑戦、介護職員・要介護者・家族向けのデイリーケアのポイントをまとめた「口腔ケアマニュアル」の説明、最後に口腔機能リハビリテーションプログラムとしての「お口の体操」の説明および体験がなされました。

  なお、次回大会は、平成18年7月8日(土)・9日(日)に札幌市の札幌コンベンションセンターにて開催される予定です。大会長は、北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一講座の平井敏博教授です。


朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
会場入口
会場入口
スノーホール(第1会場)
スノーホール(第1会場)
ポスター会場
ポスター会場
展示ブース
展示ブース
会場から柳都大橋を望む
会場から柳都大橋を望む