6月12日(土)・13日(日)の両日にわたり、東京国際フォーラムにて、「第22回日本顎咬合学会学術大会・総会」が開催され、2日間で約2,900名の参加登録者がありました。大会会長は日本大学歯学部の伊藤公一教授、プログラムチェアマンは東京都でご開業の岩田健男先生でした。 今回の学術大会は、歯科医療における現代の潮流を反映させた「全身と歯科『歯科医療のこれから』-咬合・歯周・インプラント・審美-」をメインテーマに掲げ、日本学術会議会長・東海大学教授の黒川清先生の特別講演「21世紀の『プロ』育成への課題」で幕を開けました。 講演の内容は、全世界的な戦争の勃発、科学技術・医学の著しい進歩、人口の爆発的な増加があった20世紀の歴史を振り返りながら、組織の一員ではなく個人として世界を動かせる日本人になるには明確な世界観・歴史観を持つことが必要であるというもので、いろいろな問題を抱えた時代を歯科医師のプロとして乗り切るにはどうすればよいかを示唆されました。 海外の3人の著名な演者による特別講演は、米国UCLA歯学部歯周病学科教授・Michael G. Newman先生が「これからの歯周医学」、米国テキサス大学ヘルスサイエンスセンター歯学部教授・Robert J. Cronin, Jr.先生が「極度に咬耗した歯列のオーラルリハビリテーションとその臨床的課題」、米国UCLA補綴科準教授・Mete I. Fanuscu先生が「天然歯の予後判定基準とインプラント治療:臨床的および生物学的考察」の、まさに大会メインテーマに即応した演題にて行われ、最新の情報を報告されました。 Michael G. Newman先生は、市民向けの公開セミナー「歯周病は万病のもと ~えっ、あの病気の原因も?~」でも講演されました。歯周病菌が心臓病などの全身疾患に影響を与えること、また喫煙が口腔内で歯周病菌が棲息しやすい環境をつくることを説明しながら、歯科医師は積極的に診断・治療を行わなければならず、患者さんにも関心を持って歯科医院に来てほしいと語られました。 その他、歯科開業学セミナー、歯科衛生士部門での講演、歯科技工士部門での講演など、多彩な内容の合計240件の発表が行われましたが、ポスター発表ではポスターを大きなスクリーンに映写しながらのステージでの発表の時間が設けられたり、テーブルクルニックでは発表がよく聞こえるようにレシーバーとイヤホンが貸し出されるなど、参加者の満足度を高めるための数々の新企画が見られました。 また、賛助会員企業展示では46団体が出展。ジーシーでは「ジーシーインプラントRe」を中心に展示を行い、話題の音波振動歯ブラシ「プリニア」、プランメカ社のデンタルユニット「Gコンパクトi」などとともに、多くのお客様の注目を集めました。 なお、次回の第23回大会は、来年の6月11日(土)・12日(日)に今回と同じ東京国際フォーラムにて開催される予定です。 |