9月12日(金)?14日(日)の3日間にわたり、東京国際フォーラムにて「第38回日本口腔インプラント学会総会・学術大会」が開催され、過去最大となる3,500名を超える参加がありました。
今回は、「ガイドラインを備えたインプラント治療」をメインテーマに、基調講演、招待講演、特別講演5題、シンポジウム2題、アジアンセッション、専門医教育講座、課題口演、一般口演、ポスター発表、専門歯科技工士教育講座、専門歯科衛生士教育講座、市民フォーラム、公開講座等、広範囲にわたる内容の発表が行われ、たいへん盛況でした。
大会長は、(社)日本口腔インプラント学会関東・甲信越支部長の相浦洲吉先生でした。
基調講演は、大会長の相浦洲吉先生を座長に、(社)日本口腔インプラント学会理事長・大阪歯科大学教授の川添堯彬先生より「日本における口腔インプラント学教育基準の卒前教育への導入とインプラント診療ガイドラインの構築に向けて」についてご講演がありました。尚、同理事長は、開会式に際し同学会の会員数について言及され、直近で9,520名であり年内には10,000名を 越える見込みであるとお話されました。
特別講演1は、日本歯科大学新潟生命歯学部の渡邉文彦教授を座長に「シミュレーションソフトウェアと誘導システムを使用した審美インプラント治療」という演題にて、ロマリンダ大学のDr. Joseph Kanが、同2は、東京医科歯科大学の塩田真准教授を座長に「機械的負荷に対する骨の反応」という演題にて、ジュネーブ大学のDr. Anselm Wiskottが、同3は、日本インプラント臨床研究会の井汲憲治先生を座長に「インプラント歯学における先進的概念?過去、現在、未来」という演題にて、ラスベガス開業のDr. Leon Chenが、同4は、日本大学松戸歯学部の加藤仁夫准教授を座長に「知覚障害を伴った痛みに対する治療の現状」という演題にて、日本大学松戸歯学部の平山晃康教授が、同5は、日本大学の小木曽文内准教授を座長に「歯科インプラント周囲軟組織の機能的および審美的再建術」という演題にて、北京大学のProf. Ye Linが、それぞれ講演されました。
シンポジウム1は、大阪大学の前田芳信教授と、東京医科歯科大学の春日井昇平教授を座長に、「インプラント治療のガイドラインのためのエビデンス?どのような考え方が提唱されてきたか?」というテーマにて、進行されました。ガイドライン作成のために、インプラント治療の各段階においてClinical Questionを挙げ、それに対しエビデンスが得られているか否かの結果がまとめて報告されました。シンポジストは、広島大学の赤川安正教授、昭和大学の宮崎隆教授、東京歯科大学の井上孝教授、同じく矢島安朝教授、神奈川県開業の大塚隆先生、日本大学の萩原芳幸准教授、東京都開業の武田孝之先生、九州大学の古谷野潔教授、日本歯科大学新潟生命歯学部の渡邉文彦教授の以上9名の先生方でした。
同2は、東京医科歯科大学の小田茂講師と、ユニバーサルインプラント研究所の定永健男先生を座長に、「インプラントの最新トピックス」というテーマにて海外から3人のシンポジストが登壇されました。フランクフルト大学のProf. Georg H. Nentwigが「ティッシュケアコンセプトでのプラットホームスイッチングの信頼性」というテーマにて、ペンシルベニア大学のProf. Joseph P. Fiorelliniが「成長因子の臨床的適用」というテーマにて、フランクフルト大学のDr. Paul Weiglが「ジルコニアを使用したメタルフリー上部構造」というテーマにてそれぞれ解説されました。
公開講座として、日本口腔検査学会の集いを始めインプラント治療に深く関係する4つの学会の集いが開催され、立ち見も出る盛況でした。また、市民フォーラムでは、東京医科歯科大学名誉教授でテレビでもおなじみの、藤田紘一郎先生が、「免疫力をつける生活」というテーマの講演をされ、一般市民の方を中心に満席の状況で、会場内は健康的な笑いに包まれていました。
なお、次回学術大会は、大阪国際会議場にて、2009年9月25日(金)?27日(日)に開催される予定です。大会長は、徳島大学の市川哲雄教授です。
東京国際フォーラム
第一会場(Cホール)
ポスター会場
展示会場