12月12日(日)に、東京国際フォーラムホールB7にて、「GC友の会 東京講演会」が開催され、700名を超える先生方にご来会いただきました。 今回は、メインテーマを「いま欠損補綴に必要なこと-パーシャルデンチャーの設計をどうするかー」と題し、東京都中央区・鈴木尚先生をコーディネーターに東京都千代田区・宮地建夫先生、栃木県宇都宮市・椎貝達夫先生から、欠損歯列の設計・欠損補綴の処置方法・補綴設計としての義歯とインプラント等につき、ご講演いただきました。 鈴木先生からは、コーディネーターとして「片側遊離端欠損の補綴設計から考える」の演題にて、欠損歯列が抱える難しさを欠損に共通なものと個人的なものに分けて考えることが必要と、企画のねらいを交えてご講演いただきました。まず症例の共通した要件として遊離端欠損を選び、経過から補綴的問題点を抽出することにより理想の設計を導き出す方法を探ることにつき、先生の豊富な臨床例を提示しながらお話しいただきました。 宮地先生からは、「レベル診断とリスク回避」の演題にてご講演いただきました。 欠損歯列の診断は、その咬合支持の損傷レベルを把握することが重要であり、処置方針の基本は損傷した咬合支持の再建となる。咬合支持の再建には、機能回復(患者さんの現在の問題への対応)とリスク回避(将来への対策)があるが、患者さんの状況や希望を十分に聞きながら処置方針を決定することが大切であるということをお話しいただきました。 椎貝先生からは、「インプラントの介入時期とプランニング」の演題にてご講演いただきました。欠損補綴において義歯対応とインプラント対応の選択基準をどう考えるかがポイントであり、インプラント治療の特徴として、欠損部位の骨の状態に大きく左右されることから、部位別による骨形態の特徴や骨の性状等を十分に診査する必要があること、また、骨支持のインプラントと歯根膜の動きを許容する天然歯との共存をどのようにバランスをとるかについてお話しいただきました。 今回の講演会のねらいとして3講師間のディスカッションを十分に行うことが計画され、3人の先生方が講演を終えた後、午前の部の締めくくりとして、欠損補綴を考える上で原点となる片側遊離端欠損について、鈴木先生を中心にディスカッションが行われました。 午後の部も同様に、講演後、欠損歯列の咬合崩壊をどのようにして防いでいくのか、先生方のお考えについて臨床例を交えながらお話しいただきました。 最後にインプラントの登場で欠損補綴は大きく変化しようとしているが、平均的な方法論ではパーシャルデンチャーでの補綴が多用されており、パーシャルデンチャーの設計について今一度考えていただきたいとまとめがありました。 なお、会場内の展示コーナーでは、超親水性ハイブリッドシリコーン印象材「フュージョン」、顎機能統合検査装置「ナソヘキサグラフⅡ」、3Dモデル顎運動表示ソフト「ナソヘキサ3D」などの話題の新製品を中心に展示を行いました。 |