出典：FDI（国際歯科連盟）

ジーシーは、世界の歯科界での共通問題を解決することを目的に、FDI とパートナーシップを結んでいます。
FDIとジーシーが共同で立ち上げたパートナーシッププロジェクト「Oral Health for an Ageing Population（OHAP：高齢者のための口腔保健）」は、高齢者に対する口腔疾患の予防と治療の研究の機会、並びに高齢社会の口腔保健の調査の必要性への関心を高めることなどを目的に取り組まれております。このOHAPの活動が10周年を迎えました。

FDIはWDC25にて「Oral Health for an Ageing Population（OHAP：高齢者のための口腔保健）」プロジェクト10年の成果となる新たなアドボカシーガイドを発表しました。
FDIは2025年FDI World Dental Congress 2025（WDC25）：FDI世界歯科会議にて、新たなアドボカシーガイドを発表しました。本ガイドは、世界中で進む高齢化する社会において、口腔保健向上に実効性のあるアクションを促すことを目的としています。「Oral Health for an Ageing Population（OHAP：高齢者のための口腔保健）」プロジェクトが取り組んできた10年超の研究、連携、グローバル規模のアドボカシー活動の節目を記念するマイルストーンです。

このアドボカシーガイドは、政策立案者、医療専門職、アドボケーターに向けた包括的な戦略を提示しています。専門家による査読済みの研究論文、エビデンスに基づくケア提供に関するガイドライン、OHAPプロジェクトを通じて開発された実践的なツールやリソースを活用しており、FDIの「Vision 2030」、WHO（世界保健機関）の「口腔保健に関する決議・戦略・行動計画」、そしてより幅広いグローバルヘルスの枠組みに沿って、口腔保健におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（UHC）の提唱を支援しています。

OHAPの10年：東京から現在へ
OHAPの歩みは、2015年3月日本歯科医師会主催世界大会で採択された「東京宣言」から始まりました。この宣言では、口腔健康は基本的人権であり、健康長寿を支える公衆衛生政策に例外なく組み込むべき不可欠なものであることが強調されています。
その後、FDIは、高齢化が進む世界が直面する口腔保健ニーズに特化したOHAPプロジェクトを立ち上げました。世界各地で急速な人口構造の変化を背景に、その重要性はますます高まっています。
OHAPはこれまで10年以上に渡って、各国の歯科医師会、政策立案者、歯科医療従事者、患者、介護者、家族の皆様に、必要不可欠なリソースを提供してきました。加齢と口腔保健に関する理解を深めることで臨床現場を支援し、口腔保健を健康長寿戦略の中心に据える重要性を提唱してきました。

グローバルな口腔保健への共通した取り組み
OHAPの成功とアドボカシーガイドの完成は、GC InternationalとNakao Foundation（中尾世界口腔保健財団）の長年にわたる献身的なご支援なしには実現しませんでした。
GC Holding AG会長の中尾眞氏：「今日、世界的に高齢化が喫緊の課題となる中で、口腔の健康はQOL（Quality of Life：生活の質）の重要な要素となっています。OHAPプロジェクトを通じて、誰もが自分の口で“食べる・笑う・話す”ことのできる世界を実現したいと考えています。FDIとともに、耳を傾け、最新の研究を取り入れ、引き続き世界の歯科医療の発展に貢献してまいります。」

今後の展望
この新アドボカシーガイドは、関係者を動かし、口腔保健を各国および国際的な保健政策に組み込むうえで 重要な役割を果たします。FDIとそのパートナーは、これからも力を合わせてアドボカシー活動を継続し、誰一人取り残さず、すべての人が健康に笑いながら年を重ねられる未来を目指して取り組んでまいります。
OHAPプロジェクトは、GC InternationalとNakao Foundationの支援のもとで進められています。

アドボカシーガイド：高齢化する社会における口腔保健の推進
本アドボカシーガイドは、実効性のあるアクションを促すための戦略を提示するものです。OHAPプロジェクトが10年以上にわたり蓄積してきた研究やアドボカシー活動を基盤としており、ケア提供に関するガイドライン、専門家による査読済みの研究論文、実務的なツールやリソースが含まれています。

ダウンロードはこちら： Advocacy Guide - Promoting Oral Health for an Ageing Population | FDI