フジフィルLC/フジフィルLCフローをご使用の方々へ

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※光硬化型グラスアイオノマーセメントの硬化特性をご理解いただき、適正にご使用ください。
 

  1. 光硬化型レジン強化グラスアイオノマーセメントと 光重合型コンポジットレジンの反応機構の違いについて】

    光重合型コンポジットレジンは硬化物の基材となる成分が全てレジン成分であるのに対し、光硬化型レジン強化グラスアイオノマーセメントは基本組成がグラスアイオノマーセメントであることから、ポリアクリル酸水溶液とレジン成分からなります。
      光硬化型レジン強化グラスアイオノマーセメントの硬化は、光照射することによって進む硬化反応(主にレジン成分)と、光照射を行わずとも進む硬化反応(主にポリアクリル酸水溶液とフルオロアルミノシリケートガラスからなるアイオノマーセメントの反応)を有するデュアルキュア型(光と化学)の製品です。(既存のフジII LC等も同様です)
     光硬化型グラスアイオノマーセメントは練和後ポリアクリル酸とフルオロアルミノシリケートガラス間で酸-塩基反応が始まりますが、酸 -塩基反応初期に規定時間光照射を行っても反応が充分に進んでいないことから、充分な硬化物が得られません。
    酸-塩基反応中期に入ると反応も充分進行しておりますので、この段階(練和終了から40秒程度経過時)で光照射を行っていただければ光照射直後でも充分な硬化物が得られます。
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  2.  光硬化型レジン強化グラスアイオノマーセメントは、グラスアイオノマーセメントの組成をベースとしていることから成分中に「水」を含んでおり、そこへレジン成分及び光重合触媒を配合しています。
     従いまして練和終了直後に於いては、グラスアイオノマー成分に起因する酸-塩基反応が充分に進んでおらず、規定時間光照射を行っても充分な硬化物が得られない場合がありますが(練和紙上で光硬化性を試した場合等)、臨床使用時の「窩洞への充填作業」に要する時間を考慮すると、練和終了後40秒程度経過しており、この時点で光照射を行っていただければ、結果的には充分な硬化物が得られます。

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